都内の某所に奉職し、早3ヶ月以上が過ぎました。上京前後の急展開は言わずもがな…ですが、学習会に参加頂いた方から「中国語の仕事は、何だかんだ言って中国人が有利です。どうやって最初の仕事を見つけたのですか」というご質問を頂いたのと、
しんちゃんさんのコメントを見て思うところがあり、本日の日記をしたためることにしました。
私の職歴については、過去の日記にある程度書いてあるため、詳細は省略したく思いますが、少なくとも(東京の就業環境はいざ知らず、以前住んでいた某地域に限って言えば)下記のようなことは言えると思います。
(1)通訳・翻訳といった場合、就業環境は中国語ネイティブが圧倒的に有利
(2)少しずつ、できるところから中国語の仕事を始めようとすると、現実問題「食っていけない」
(1)に関して。平均値を取れば、日本人学習者のレベルが低い(つまり私自身のレベルが低いために仕事探しが大変であった)という否定しようのない事実もあるわけですが、それ以前の問題で、採用する側も「日本人には中国語なんてできない」「中国人社員の日本語に問題があるなら、日本人社員が助ければよい。通訳や翻訳を頼んだときに、スムーズに中国語化できるほうが有難い」と考えているフシがあるようでした。もっと端的に言うと「日本人」であるがゆえに、採用面接を受けることすらできなかったことも多々ありました(逆に、日本で就職活動している中国人の方からは「日本人はビザの問題で断わられることがないじゃないですか!」と言われそうですが^^;)
そして、ようやく潜りこめた就業先(=アルバイト先)で、「中国人社員を雇ったから(or中国人社員がいるから)、あなたはもう要らないよ」となったことも、大変悔しいことではありますが、過去2回ありました。
(2)について。私の場合、全く何もできないようなレベル(当時HSK8級だったと思いますが)で何の見通しも考えず、いきなり前職を辞めてしまったため、そもそもできる仕事が限られていました(というより、もっとはっきり言ってしまうと「ありませんでした」)。一気に年収百万円台のアルバイト生活に転落し、数少ない収入からアパート代を払い、中国語学習のために投資し…といった日々が何年と続きました。同年代の女性がそこそこ小金を持ち始める頃に、「自分は何をやっているのだろう?」と涙にくれたこともあります(まあ、自業自得ですが^^;)。
そんなこんなで、過去の記憶はしょっぱいか苦いかのどちらかですが(@_@)、だからこそ決意していることがあります。それは「絶対に日本国内で通訳者になってみせる」ということ、そして「同じ日本人学習者(後輩)に迷惑をかけるような仕事はしない」ということです。
徐々に中国語の力がついてきた頃、「過去に語学留学してるから(or 仕事上中国人と付き合う時間があるから)中国語がお上手なんですね」あるいはそれと真逆ではありますが「中国に1年も住んでいなかったんですよね?本当にそれで中国語ができるんですか?」という言葉を耳にするようになりました。表現こそ違えど、そこに同じ根(中国滞在歴やネイティブとの接触時間の長短のみを重視)が透けて見えて、一時は「中国語ができると思われる理由も留学(滞在歴)のせい。一方、中国語ができないと思われる理由も留学(滞在歴)のせい」というジレンマに陥り、忸怩たる思いで一杯になりました。
そうこうするうち、師匠の師匠にあたる方が、海外に一度も出ず、日本国内のみの学習で英語同時通訳者となったことを知りました。「絶対、日本国内の勉強だけでプロになってみせる」と、このとき決意しました。たとえ短期とは言え、語学留学経験のある自分は純国産とは言い難いかも知れませんが、環境に依存せずに通訳者・翻訳者になろうと考えたのは、(自分のレベルの低さも大きな原因とは言え)元はと言えば、厳しい就職事情に端を発したものでした。
そして「同じ仕事を志す日本人の後輩に迷惑をかけない」。クビと言えばクビになった経験があるため、全く偉そうなことは言えませんが、特に日本人で中国語関連の仕事をする場合、「自分の仕事ぶり如何が後輩の進路を大きく左右する」ことを肝に銘じなくてはならないように思います。自分の働き次第で、数少ない中国語の通訳職・翻訳職のパイの一つを後輩に繋ぐことができないかも知れない。現在の職場もそうですが、私のやるべき仕事の一つは、もしも自分が辞めるとなったときに、後輩にこの仕事をバトンタッチすることだと思っています。
こうして過去を振り返ると、自分が現在の場所で通訳職・翻訳職として勤務できるのは本当に有難いことだと感じます。現状、「中国語の仕事に就きたくてもそれが叶わない」方は、過去のわたしと同様、日本全国に数多くいらっしゃることと思います。「努力ができないなら、努力できる人に今のポストを譲れ」と言った師匠の言葉を忘れず、これからも精進していきたいと思います。